当法人が設立しましたのが２００３年１２月であり、今年、おかげさまで、２０年目の節目の年を迎える事となりました。これもひとえにご利用者様、ご家族様をはじめ、地域の皆様、また各種関係団体のお力添えの賜物と感謝いたしております。
それまでの１１年間の無認可作業所の活動を経て、２００３年に法人格を取得し、新たに「小規模通所授産施設ここの家」としてスタートしましたが、当時は右も左も分からないことずくめで、社会福祉法人といっても、小規模の法人が故の厳しさ、制度に則った運営の難しさ、事務量の多さ等に悪戦苦闘していたこと記憶しています。（現状も変わりませんが・・）
そして障がい者福祉はその間、時代の流れとともに大きな変遷をたどってきました。２０１７年には社会福祉法が改正され、社会福祉法人として存在意義、責務が問われることになり、時代にうまく適用し、先進的に事業展開される法人、なかなか時代の流れにうまく乗り切れない法人など目の当たりにしてきました。
２０年経った「ここの家」はどうでしょうか。もちろんこの２０年の間に良いことも、厳しいことも味わってきましたが、この地域で存続できているのは、前述でも触れましたご利用者様、ご家族様をはじめ、地域の皆様、また各種関係団体の皆様との「つながり」があったからではないかと思います。
無認可作業所開設時に「①地域とのつながりを大切にし、共に生きる社会を創る。②お互いの持ち味を活かし、生き生きとした地域生活をおくる。」と掲げていた思いは、そのまま法人の理念とし今に受け継がれています。
日々施設のご利用者様、職員はそれぞれの施設の特色を生かしながら、地域や支援してくださっている方々との関係を繋いでいってくれています。コロナ禍で停滞していた活動もそういった実践の中で、ここの家らしい取り組みの再開、形を変えて動き出し、今年に入って「つながり」を感じ取れるエピソードも増えつつあることを嬉しく感じます。そして、こういった積み重ねを次の５年、１０年と続けていくことが大切であると思っております。

法人設立20周年記念式典

そして2023年10月14日に法人設立20周年記念式典を無事に執り行うことができました。これもひとえにご利用者様、ご家族様をはじめ、地域の皆様、また各種関係団体のお力添えの賜物と感謝いたしております。
前述でもありましたが、ここ数年新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、行事の中止、規模縮小となりました。まずは日々の福祉事業活動を連日どう回していくかそんな毎日が続きました。当法人の基本理念は「地域とのつながりを大切にする」です。それは利用者様と職員の日々の活動の延長が人と人を繋ぐ役割になり、地域交流という形が生まれているのではないかと思います。コロナ禍でよりそのことを感じました。
2023年を迎え、国による新型コロナの位置付けが少しずつ緩和されるのに合わせ、当法人として何かできないかと考えたときに、少しあきらめていた20周年式典開催案の話をもち、理事会に報告させていただき承認をいただきました。何もしないではなく、何かできることはないか、どうしたら式典を開催できるか議論を重ね、実行委員会も立ち上げました。限られた時間での集まりですので、進捗状況や役割分担、そしてどういった中身にするのか、記念品作成等当日を迎えるまではヒヤヒヤしました。利用者様も焼き菓子や自主製品作り、絵画アート作品で記念品を作成と携わっていただき式典に向けて準備が始まり、そしてご家族の皆様にもお手伝いいただきました。式典当日はもちろんの事こうしたプロセスが非常に良かったのではないかと改めて式典を終えて感じております。
20年を振り返ると、その年その年ここの家の活動を支えてくれている利用者様、ご家族様、職員の存在が何よりも大きく、出会いや別れを繰り返しながらではありますが、ご縁があった方々と共に歩めたことは大きな財産となりました。
さて20年の節目を迎えたものの、これで終わりではもちろんございません。福祉の取り巻く環境はコロナ禍後の法人経営、物価高騰、人口減少などの社会課題に直面しております。
その中で私たち法人の役割もさらに重要になってきます。障害福祉サービス事業を基盤とし、複雑かつ多様化しつつある福祉ニーズへの変化、ＤＸ等の推進（私自身苦手な分野です・・・。）など様々な福祉の問題に対応していくことが必要です。こういった状況の中、この先の当法人のあるべき姿を追求していくことが必要であると感じています。
最後に、私たちはこれからも地域福祉の一翼を担っていけるよう努力していく所存です。引き続きの変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。