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【R7年度第3回定例会・研修会を開催】未来の社会福祉像の構想と実践戦略 ~依存先を自立と孤立から考察する~(令和7年10月30日)

【R7年度研修会報告】未来の社会福祉像の構想と実践戦略 ~依存先を自立と孤立から考察する~
令和7年10月30日、大阪青年経営者会では、今年度第3回目となる定例会ならびに研修会を開催いたしました。
定例会では大阪青年会員が集まり、代表挨拶をはじめ中央情勢報告、各委員会に分かれての活動をいたしました。

【研修レポート】
研修会では社会福祉法人峰栄会理事長であり、全国社会福祉法人経営青年会「福祉共創Lab」委員長でもある髙杉威一郎氏を講師に迎え、「未来の社会福祉像の構想と実践戦略」 をテーマに開催いたしました。
本研修では、これからの福祉に求められる視点や、地域とともに幸せをつくる “共創型の福祉” について深く学びました。

■ 自立よりも「善い依存先」を
研修冒頭では、東京大学・佐藤仁氏らの先行研究をもとに、
「福祉は自立だけを目指すのではなく、良い依存先を選び取れる社会をつくること」が大切だという視点が示されました。
“孤立”ではなく、人や地域とほどよくつながり合う “開かれた依存関係” が、住民の安心や自立につながるという考え方は、福祉現場にも深く通じる内容でした。
■ 「共生」ではなく「共創」の福祉へ
全国青年会の福祉共創Labの報告では、
福祉の課題は「共生」よりも「共創」へと転換する必要がある
という研究成果が紹介されました。
その中核となる新しい3要素が
・寄生(きせい):地域の様々な主体に寄り添い、互いに支え合う関係
・越境(えっきょう):福祉の枠にとらわれず、他分野との協働に挑む姿勢
・縁福(えんぷく):縁の中で生まれる幸福を大切にする考え方
という三つのキーワードです。
これらは “ヤドリギ” の植物に例えられ、強くしなやかに根付く福祉の未来像が示されました。
■ 具体的な実践事例 ― 地域とともに「幸せを育む」活動
峰栄会で行われている数々の実践を紹介いただきました。
・NPOとの連携による地域の居場所づくり
・子ども園・高齢者・地域住民が交流するラジオ体操や納涼祭
・大学生が利用者の“思い出の味”を調査し、レシピ化して継承する取り組み
・防災×福祉×子どもによる「防災文化」づくり
これらの活動は、年齢・分野・立場を越えた“越境”によって成り立ち、地域の中に自然と幸福を育む“縁福”の姿が実感できるものでした。
■ これからの福祉に向けた戦略
研修のまとめでは、未来の社会福祉に向けて次の3つの戦略が提起されました。
・市民と危機を共有すること
日本の福祉制度の限界を市民と一緒に考え、未来の選択を共にする必要がある。
・新しい選択肢を投げかけること
「競争と格差」でも「我慢と切断」でもない、
・“寄生・越境・縁福” に基づく共創社会 をめざす。
・中間集団(社会福祉法人・社協・地域団体)の活性化
行政でも市場でもできない役割を担い、地域の幸福基盤をつくる。
■ 研修を終えて
今回の研修は、福祉を“支援の提供”としてだけ捉えるのではなく、
地域の中でともに幸せをつくる「共創の福祉」への大きなヒント
を得る機会となりました。「自立」だけをゴールにする時代から、
“依存を選べる社会”“越境しながら共に生きる地域” を目指す時代へ。
福祉の未来を切り拓く視座を共有できた、有意義な研修会となりました。
(事務局)